好きだったよ、ずっと。【完】
「もう、いい。今後一切、わたしに触れないで。聡、行こう」



朱里は、キッと俺を睨み付けるとドアに向かって歩き出した。



間宮の腕を引っ張って…。



「ちょっと、待て」



俺は、咄嗟に立ち上がり朱里の腕を掴んだ。



「だから、触んないでって言ったでしょ?聞こえなかったの?」



そういう朱里は、やっぱり無表情で…、なのに俺は。



「お前ら、ホテル行ったのか…?」



どうしても気になった。



関係ないと言われればそれまでだが、朱里が間宮を「聡」と呼んでいて、何かあったのは間違いないと思った。



「泊まってきた。今、ホテルから出てきたとこ。それがなにか?」



やっぱり、泊まったんだな…。



でも俺たちは彼氏彼女じゃない。



朱里が誰とホテルに行こうが、誰とヤろうが関係ないじゃないか。



分かってる。



なのに、どうしてこんなにイラつくんだよっ。
< 67 / 267 >

この作品をシェア

pagetop