回り道【短編】
私に話しかけてくれる唯一の男子でもある裕斗は

『話しかけないで』

なんて言った私を軽々とスルーして、



「良いじゃん♪ってかこんな数字の羅列、なんでわかんの?」


って、また話しかけてくる。




わかるからわかるんだよ。
そんなこと言っても意味なさそう。
そう思ったから

「うるさい。集中できないから、向こう行っといてよ。」

少しイライラしながらまた可愛くないことを言ってしまう。


「…わかったよ。」


友達の所へすごすごと退散していく裕斗。
その後姿を見送って、また数学に戻る。
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