回り道【短編】
一問目。

二問目。

三問目…



「集中できない…。」

髪の毛をクシャリと握って、ノートを見る。


綺麗な字だね。

そう何度も褒められた字が、ぎっしりと詰まったノート。
今までに自分が勉強してきたことが全部かかれている。


ノートを見てたはずなのに…
いつの間にか裕斗に視線が移っていた。


男女数人に囲まれて、バカみたいに笑っている裕斗。


あんな風になりたかった。
そう思えるくらいに素直な目をしている。


良いなぁ…

今までにも何度も思っていること。
何度目かなんて、忘れた。
< 3 / 6 >

この作品をシェア

pagetop