パズル
違う!!
お前は、神なんかじゃない!
目を覚ますんだ!
ラウール・ドーファン。
少年にとって、特に親しかった友人でした。
あの頃の優しかった瞳はどこへいったのか、今の彼の瞳は少年に対する恐怖と怒りで濁っていました。
――なぜ、そんな目で僕を見ているのだろう。
少年は不思議に思いました。
そして、何のためらいもなく、少年は彼の心臓を貫きました。
すると、一瞬にして、彼の仲間達の瞳が恐怖の色に染まります。
ほら、早く認めちゃいなよ。
僕たちが間違ってました。
あなたは神様ですって。
少年は優しく微笑みました。
まるでそれが合図だったかのように、彼らは一斉に少年に飛び掛ってきました。
アルドフ、ヘンゼル、カイザー、ルータス、ロニー、ヨーケル、フレディ…、皆、同じ目をしています。
少年はそれを他人事みたいに眺めて、一気に片付けました。
少年にとって、人の命はとてもあっけないものでした。
なぜなら少年は、その手を触れることなく、一瞬で多くの命を奪うことができるのです。
そう思ってしまうのも仕方ありません。
しかし、少年は少し前まではずっと、普通の人間になりたかったのです。
だから、この力のことは誰にも話したことのない、自分だけの秘密でした。