余命一ヶ月の君との恋
新学期
桜が舞う季節____
 
 
俺は、中学二年の始業式を迎えた。
 
 
周りには、キャッキャと騒いでる人もいれば、読書しながら登校してる人もいる。
 
 
俺はどちらかと言えば、後者の方に当たるだろう。
 
あまり、騒ぐのは好きではない。
 
そのせいか、彼女などというものはこの生涯、一回もない。
 
告白された事は、あるがタイプじゃない。
 
いや、その前にタイプというものがない。
 
 
そんな、俺だが、俺の友人は俺とは真逆だ。
 
 
 
「いぇーい!!今日から二年だぜ!今年も同じクラスになれたら良いな!!」
 
 
この朝からテンションが高い奴が、神谷 龍。
 
こいつとは、物心ついた時から一緒だった。
 
いわゆる幼馴染だ。
 
 
 
「・・・俺はできるだけ、違う方が良い」
 
「んだよぉ~、そんな釣れない事言わずにさ!!」
 
「無理」
 
「即答!?」
 
 
 
そう、龍と俺は性格が真反対である為、俺はこいつが苦手だ。
 
だから、俺はこいつとは離れたいんだが、幼稚園、小学校、中1とずっと同じクラスだ。
 
神に恵まれてないのか、俺は。
 
 
 
後ろから聞こえる「そんな即答しなくても・・・」と言う呟きを無視し、俺はクラス表が貼ってある、玄関へと移動した。
 
 
 
周りには「同じクラスだね!!」と喜んでいる奴もいれば、
 
「げ・・・あいつと同じクラスかよ」と悲しんでいる奴もいる。
 
 
 
俺はどこだろう・・・とキョロキョロしていると
 
 
「おーい!俺達また同じだったぜ!!」と言って爽やかそうな笑顔をこちらに向けている龍。
 
 
周りから見たらその笑顔で和むだろうが、俺はその逆だ。
 
今は腹ただしくてしょうがない。
 
 
 
「何でまたお前と同じなんだ・・・」
 
 
本当に、神に報われてねぇな、俺・・・
 
 
そんな事を思いながら、俺は項垂れてる事しか出来なかった。
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