sweet wolf




「見慣れねぇ顔だな」




アッシュは低い声で唸った。




「覚えておく」



「あたしは、あんたのことなんて忘れてやる!!」





悪あがきに叫んでいた。



そんなあたしの言葉なんて聞こえなかったかのように、アッシュは鞄を持ち、ダルそうに去っていった。




まるで動じていない。

あたしが何を言おうが奴には関係ない。

その態度にひどく腹が立つ。





あたしは、その後ろ姿をずっと睨んでいた。




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