sweet wolf
蓮や直樹と仲がいいのは仕方がない。
っつうか、それ以外の卑屈な奴らとは仲良くしてやんない。
余裕をこいていたあたし。
そんなあたしに、直樹からの思わぬジャブが入る。
奴はいつもの無邪気というか、鈍感な顔をしてこう言ったのだ。
「そういえば最近、大宮さんの取り巻きもいないね」
「取り巻き?」
思わず聞いていた。
何だよ、一匹狼だと思って尊敬していたのに、結局蓮もツルんでるの?
だが、直樹の言葉はあたしの想像を遥かに超えていた。
「杏ちゃん、大宮さんはああ見えて超モテるんだよ。
だから、大宮さんのファンクラブみたいなのが出来てて……」
「そうそう。
その人たちと、片っ端からやりまくっているらしいよ」