sweet wolf




「杏ちゃん!駄目!!」




叫ぶ直樹を、




「うるせぇ」




再び殴るブリーチ。

あたしの中の何かがプチッと切れ……

あたしは声にならない叫び声を上げてブリーチに向かっていた。





余裕の笑みを浮かべて立ち上がるブリーチ。

ブリーチの足に直樹がしがみつくが、軽くそれを蹴飛ばす。

そして、こっちに向かって伸ばされた手の間を掻い潜り、あたしの拳は風を切った。





蓮がいなくても、あたしは大丈夫。

あたし……きっと強くなったから。





< 232 / 312 >

この作品をシェア

pagetop