sweet wolf
痛む頬を押さえながら、あたしは保健室を飛び出していた。
無力な自分だけど、
何も出来ないかもしれないけど、
少しでも役に立ちたいと思った。
あたしは狼に守ってもらいながら、
何も恩返しが出来ていない!
ひと気のない廊下を走り、生徒たちがいると思われる教育棟を目指す。
あたしの足音以外に、少しずつ人の声も聞こえてくる。
パリン!!
ガシャン!!
遠くで何かが壊される音がした。
待ってろよ、金獅子!
あたしはあんたらを、許さない!!