sweet wolf








ひたすら走る!

教育棟へ続く廊下を曲がる!

あと少し!

そう思った時……



ドンッ!!



身体に衝撃を受け、吹っ飛ばされた。

あたしは宙を舞い、無様に廊下に倒れこむ。

振動が左頬に響き、激痛が走った。





「……ッ」




歯を食いしばるあたしに、




「…ッてぇな」




追い打ちをかける、獰猛な声。



ヤバイ、あたし、金獅子の奴にぶつかったのかもしれない。



だけど……

こうやって会ったのも運の尽き。

精一杯戦ってやろう。




そう思って顔を上げた……。



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