sweet wolf
蓮はあたしの頬に手を当てたまま、あたしの顔を覗き込む。
その綺麗な瞳に吸い込まれそうになる。
そして、鼓動もますます速くなる。
蓮の口がゆっくり開き、静かに言葉を発する。
「当然だろが」
「……え?」
思わず蓮の顔を凝視していた。
切れ長の瞳に、筋の通った鼻。
少しだけ開かれた唇。
それは芸術の域に達しているほど完璧だ。
だけど、あの頃の面影が残っている。
「今さら何言ってんだ?」
そう言って、蓮は獲物に飛びかかる狼みたいに、あたしの上に覆いかぶさる。