sweet wolf
「セフレ……」
思わずそう言ったら、
「馬鹿じゃねぇの!?」
蓮が冷たく吐き捨てる。
優しかったその瞳に、怒りすら見えた。
「お前とセックスなんてしてねぇだろ!
それに、セフレなんてもういねぇよ!!」
その真剣な顔から目が離せない。
あたしの頭の横、壁に突かれたその手が震えている。
「マジで鈍感。
アタマ、石で出来てんじゃねぇの?
俺は……」
蓮の顔が、ふっと緩む。
そして、そのしかめっ面は柔らかくて少し悲しげな笑顔へと変わる。
「俺は……杏がずっと好き。
お前のこと、忘れたことなんてなかった」
「え……」