sweet wolf
「ごめんな。
杏がいなくて、荒れたりした。
二度と会えねぇかと思って、女とヤったりした。
今の俺は嫌われ者で罪ばかりだけど……」
耳もとで囁く蓮。
そんな蓮の身体は、微かに震えている。
「杏は俺が守る。
お前がいねぇ世界は、空っぽだった」
「蓮……」
あぁ、蓮、どうしよう。
あたし、すごくおかしな気分。
身体が熱を持って、じゅんと熱い。
蓮に触れている部分から溶けて、あたしがあたしじゃなくなりそう。
「だから、俺を信じろ」
あたしはありったけの笑顔を作り、首を縦に振っていた。
蓮が遊び人だとか、あたしがセフレだとか、嫌な疑惑は全部吹っ飛んでしまう。
蓮を信じてしまう。
「俺がこんなこと言うの、お前だけだからな」
蓮は再び低く呟いた。