sweet wolf
あたしの、狼
「あんたが狼だったなんて思わなかった」
いつもの屋上で、あたしは蓮に言った。
蓮はいつものようにコーラをあけ、ぐっと飲む。
その首元にドキドキした。
「狼じゃねぇよ。
狼のトップだ」
わざとらしくそう言って、蓮は笑う。
いつもの爽やかな笑いだった。
「だけど俺は、群れるのは好きじゃねぇ。
これからも、ずっと、俺は傍観者だ」
だけどね、狼がピンチに陥ったら、また助けに来てくれるんだよね。
蓮は本当に救世主。
狼にとっても、あたしにとっても。