sweet wolf
そんなことで、あの事件から一ヶ月半が過ぎていった。
飛ぶように、あっという間に。
「大宮先輩、あいつと付き合ってるらしいよ?」
「マジ?セフレじゃなくて?」
クラスの様子は変わらない。
クラスの中に、直樹以外の友達なんていない。
ただ、
「ヤバイよね、大宮先輩だなんて。
あの人、狼のトップなんでしょ?」
その噂が広まるのだけは早かった。
こんな教室にいても、ちっとも楽しくない。
あたしはため息をついて、席を立った。