sweet wolf






「大宮、三番の答えは?」




先生が半ば怯えながら、俺に解答を求める。

クラス中が凍りつき、見たくないものを見るように、チラチラと俺を見た。





……はぁ。

どいつもこいつも。






「知らねぇよ」




俺はそう言い放ち、鞄を引っつかんで教室を出た。

何やってんだ、俺。




杏が岡島兄弟を尊敬しやがるから。

だから、奴らを見習って、もう少し真面目になろうと思ったのに。

……俺には出来ねぇや。





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