sweet wolf
え……。
あたしはまじまじと蓮を見ていた。
今、あたしのことを何て……。
ー杏ちゃん
あたしをそう呼ぶあの子の笑顔が脳裏に浮かんだ。
だが……
「分かった。
俺が犯人呼び出してシメてやるから」
当の蓮は全く気にしていない様子。
それでも、何だか嬉しいよ。
あたしに興味がないといっても、結局は味方してくれるんだから。
「ありがとう」
蓮に笑いかける。
蓮は困ったように頭に手を当て、あたしに背を向けた。
学校内をみんな敵に回しても、蓮はあたしの近くにいてくれる。
その事実が嬉しくて、これからも頑張れそうな気がした。
あたしは……
狼なんかに負けない!!