sweet wolf
あたしの新しい机。
教室の中ほどにあるその机。
きっと、それは見るに耐えられない姿になっていると思った。
だけど……
それはありのままの姿でそこにあった。
昨日の牛乳は一滴残らず拭き取られ、新品同様の輝きを放っている。
「え……」
思わず顔を上げ、教室を見回した。
真面目な集団は慌てて目を逸らし、不良集団は困ったように顔を見合わせる。
窓際の女子たちもきゅっと口を結んだが……
その中心にいる三人。
昨日、あたしに向かってデッキブラシを振り上げた三人組に目が止まった。
彼女たちはどういう訳か泣いていて。
ぐしゃぐしゃな顔であたしを見た。
そして、その顔は恐怖の色へと変化する。
一体、どうしてしまったのか。