night rainbow
───「おはよー」
雪斗と別れ、私たちはそれぞれのクラスに向かう。扉を開けてあいさつすると、こちらを振り向き、ほわりと笑う女の子。
「美亜!おはよう」
そうやって、てくてくと歩み寄ってくる。
──斎藤 奈々だ。
「みあみあみーあーみーあー♪
二の腕ゆーれーるー♪」
「牛じゃないわ、」
ドナドナの音楽にのせて、私をけなしてくる奈々。私が一喝すると、奈々はおかしそうに笑った。
「美亜、今日音楽の課題、提出日だよ。」
「え、嘘。なんだっけ?」
「作詞するやつ。」
「あー、結構恥ずかしいやつね。忘れてた。」
奈々は、わすれたんかーい!と言いながら私の頭をはたく。ゆるゆるのツッコミが、奈々らしいなんて感心してしまった。