科学者鈴希&蘭

「意外と明るいですわ・・・・」

ガキィン

「あ、付いたみたいですね」

クランは階段の影からそっとのぞいた。

ガッ! ドッ! ガキン!

「あれは・・・・確か、鈴希さんがあげた、鎌ですよね・・・・」

ガンッ! ザクッ!

「流石キリさん。凄く使い慣れていますわね」

「ふう・・・・」

キリは突然止めた。

・・・・休憩?それとも、終わりかしら。

「あのさぁ、覗き見しないで堂々と見たら?なんか悪い気がするからさ。ねぇ、クラン」

ぎくっ

ば、バレてる。

「居るんでしょ?怒らないから出て来なよ」

うっ・・・・し、仕方ありませんわ・・・・。

「・・・・いつから、私が此処に居ると?」

「最初っから。つまり、クランが部屋に来たときからだよ。最初は泥棒が入ってきたのかと思ったんだけど、隠し扉を見つけたとき、クランだって分かった」

「此処からでは分からないのでは?」

「うーん・・・・なんて言えばいいんだろ・・・・ロトン、何て言えばいい?」

「え?」

「全神経を周りに集中させ、敵を探しつつ、目の前の敵も倒す。だろう?」

「そうそう。アカネ、何で、此処のことを隠そうとしたの?シヅも」

「面白そうだったからにゃん」

「僕は・・・・つられてしまって・・・・申し訳ないです・・・・」

「・・・・」

「まぁ、いーけどさ。早く戻った方がいいよ?
危ないから」

「え?」

「ゲームが始まる時間だから」

「ゲーム?」

ビーッ ビーッ ビーッ ビーッ

『挑戦者キリ以外の部外者は直ちに脱出して下さい。挑戦者キリ以外の部外者は直ちに脱出して下さい』

「な、何?」

『防護扉が閉まります。ご注意下さい。
 防護扉が閉まります。ご注意下さい。
 防護扉が閉まります。ご注意下さい。
 防護扉が閉まります。ご注意下さい。』

ガシャン!

「あ~あ、ま、ガンバローぜ!いやー、今日はS級に設定しなくて良かったよ」

「キリ」

「何?」

「今日は何級だ?」

「んーと・・・・今日は・・・・」

『今日のモンスターはA級サイクロプスです』

「だって!」

ズーン・・・・ズーン・・・・ズーン・・・・

「にゃあ・・・・だってじゃないにゃ・・・・」

「A級は・・・・弱くないんだぞ」

「わー!大きいです!かっこいいです!」

「のんきですわね・・・・こんな大きい怪物を目の前にして・・・・」

クランは呆れている。

「あ、来るよー」

ブオン

「よっ」

「お?」

「わっ」

「・・・・」

「・・・・」

ドォーン

「ホントに危ないなー。しかも、チーム戦だから・・・・」

ズーン・・・・ズーン・・・・ズーン・・・・

「もう一体付いてきます!」

「お得じゃないですわー!」






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