together
そんな私の思いも露知らず、あおちんの言葉何を感じたのか、



「美砂。靴……後は自分でできるだろう」



そう言って、真一の足音は遠ざかって行った。



「色男はほんとにノリがいいんだか悪いんだか……」



あおちんはどこか憂いのおびた声で、囁いた


とても……寂しそうに……。



そんなささやきの後、私から飛び離れて、



「さーてお姫様……靴のはきかえをしましょうか?」



このどこか小馬鹿にしたような言葉に、苦笑いしながら、素直に足を出す。



あおちんのことは、信頼している親友の一人だ。



冗談を言いつつ本気を言ってるのはわかってる。



「お願いします。エセ王子様(笑)」



だからこそ、このノリに乗って返事をする。



こんな自分に話しかけてくれることに感謝して……



そして……



彼女が、私と同じように笑っている事を信じて……



一度も見たことがない



屈託のない笑顔を想像して……


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