together
「………………」



「………………」



沈黙……



端から見れば、朝から手までつないでいるのに……さぞ不気味な光景だろう。



別にさっきの、ハムエッグが尾を引いてる訳じゃない。



ただ……それでも私は楽しい。



私からは自然と笑顔がこぼれる。



それはやっぱり不思議で不気味な光景だろう。



真一は……どんな顔をしてるんだろう?



嬉しいの?
悲しいの?
つまらないの?



わからない……



昔から一度も、真一の本当に言いたい事がわからない。



「……美砂?おい?」



「……え?あ、あぁゴメン」



「考え事か?」



「ち、ちょっと……ね?」



「そうか……アレの日なのかぁぁぁぁ痛い!」



握力には自信あるんだ。



「で?何?」



「いやぁ、一限の間部の数学の予習したのかな?ってな」



「当たり前じゃない!!ゆーとーせいだからね」



ちなみに私が使っている教科書は、全て『点字』で書かれていて。
特別分厚くて重い。



その教科書が入った鞄は真一の肩にかかってるけど。



「だろうな、お前は細かいから」



「真一はして無いの?」



だとしたら一大事だ。
間部と言ったら、『無慈悲』と呼ばれ、まだ授業でやってない所を、当てて来る。



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