together
「当たり前だろ。宿題でもないのに何でそんな時間の無駄なことをしなくちゃならないんだ」



「『無慈悲』の間部だよ?」



「……なんにせよ簡単だからいいんだよ」



そういえば、信一は成績優秀でどんなスポーツもそつなくこなす。



だからこそ彼からすると勉強は無駄なことなのだ。



「まっ、それもそうだけどね。でも、たまにはしないと……」



「明みたいになるよ……か?」



「本人が聞いたら怒るよ」



少し、照れ隠しに握っている手を前後に激しくぶんぶん振る。



多分これ以上、信一が何も話さないから……。



「痛いって」



冗談じゃなく、信一の悲痛な心の叫びだが、私は止めない。




やめてしまったらそこで『登校』という2人っきりの時間が終わってしまう。



信一は知らない



私がいつもの登校で同じ光景がみることができないからこそ……



「私も……少し痛いかな……?」



同じ感触を楽しみたいということを。



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