☆マリッジ☆リングス☆
「朝はどうも。 ちょっとビックリしたけど」

「そうですね・・・ごめんなさい」

「保険やってるんですね。」

「はい。・・・まだ新人ですが」

「子供も産まれたんで、考えてみようかな。」

聡は、保険に入るって都合で芽衣と話を進めていた。

「ご加入なら、また伺いますよ。」芽衣も着々と話を進める。

「電話番号とか聞いてもよろしいでしょうか?」

「そうですね。連絡ください」

そういって、聡は、芽衣に電話番号を渡した。

「では、来週、連絡致します。」芽衣はそういうと

深々とお辞儀をし、聡を見送った。

昼間の食堂で

聡は、若い芽衣に見送られる。

「久々だな・・・この感じ」

聡はなんだか嬉しくって、たまらない。

退社後もその日はなんだかすぐには家に帰りたくなくって

最寄駅まで着くと

喫茶店で時間をつぶした

なんの意味もない

ただ、ボーっとコーヒーを飲む

昼間の出来事を思い起こしては

芽衣の事を考えた。

名刺・・・

会社名に並んで

彼女の携帯番号もある。

「もっと・・・話したいな・・・」

密かな男心・・・下心・・・

聡は、この新し風に

心地よい新鮮さを感じていた。
< 12 / 62 >

この作品をシェア

pagetop