☆マリッジ☆リングス☆
「あなた・・・お帰りなさい」

「おう・・・ただいま」

さゆりは今日も慌ただしかった。

「あーーー。そこのオムツとって~」

ちょうど、お風呂の時間で

さゆりはバスタオル一枚で部屋をウロウロしていた。

「夕飯・・・チンしてね」

そういうと、さゆりはバタバタと浴室へ走っていく。

そんな夜も聡にとっては日常で・・・

「チン」

電子レンジのその合図は

聡の孤独な夕飯の始まりで・・・

ナイター中継を見ながら

温めたおかずを食べる。

浴室からは

さゆりの声

「あーー忙しい~・・・もう・・・」

時折、聞こえてくるそんな言葉も

聡はしっかり耳に入ってしまう。

「今・・・行くよ・・・」聡もこたえるかのように

さゆりを気遣った。
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