☆マリッジ☆リングス☆
「小林さん・・・ほんといいパパそうですよね」

芽衣は契約時もそんなことを言って聡を和ませてくれる。

「そんなことないですよ。」

「またぁ・・・」

「私も早く結婚したいなぁ・・・」

芽衣はそういうと、聡を見つめた。

「大丈夫。大丈夫・・・まだ若いし・・・」聡はそう言って芽衣を励ました。

芽衣は今年で28歳。

「30歳までには結婚したいんですよねー」

そう言って目を潤ませる芽衣は今どきの

聡にはそんな普通のOLさんが可愛らしく見えて

「たまに、こうしてご飯、付き合いますよ 俺」

そんなことを言ってしまって。

「本当ですか?」

芽衣はこの晩、お酒もすすんでいた。

「小林さんのご契約に乾杯!」

そういっては、またカクテルを飲み干した。

「大丈夫?」

「・・・はい・・・つい嬉しくて・・・」

初めてだった・・・

芽衣は新人で契約を取れたこともなく、もう崖っぷち。

だから・・ホロリと泣いた。聡には見せれるこんな姿も。

「本当に大丈夫ですか・・・?」

「本当にすみません・・・わたし・・・」

聡は、気が付くと

芽衣のマンションまで送っていた。

「ありがとうございます」

そういうと

芽衣はフラフラとマンションの中へ入っていく

「ここかぁ・・・」

ひとり残された聡は

芽衣のマンションを見上げていた。

会社から2駅

川沿いに位置する彼女のマンション。

やけに、聡は気に入ってしまった。

次の日

芽衣からメールが入っていた。

< 16 / 62 >

この作品をシェア

pagetop