☆マリッジ☆リングス☆
「ただいま。」聡はこの日、いつもより早く帰宅した。

「おう・・せいちゃん~」家に帰れば聡も父親。

ようやく、せいも「パパ」って呼ぶようになった。

「パパぁ・・・こちい・・・」せいは、聡の袖口をひっぱり

部屋に並べた電車で遊べ。って催促。

「おぅ・・・わかったってば・・・」

息子との時間は、やはり嬉しい。

赤ちゃんの頃とは違って

やっと、せいと、こうして一緒に遊べる喜び。

さゆりは聡が脱ぎ捨てたジャケットをもって

寝室に向かう

「もう・・・いっつもこんなに脱ぎ捨てて・・・」

ジャケットをハンガーにかけようとしたその時に

「あれ・・?」

紙切れがポロッとベッドの上に落ちた。

「何?これ・・・」

さゆりはその紙を見た時

一瞬、目を疑った。

「え?・・・何これ・・・」

「高田ジュエリーショップ」

オーダー用紙には

シルバーリング

注文欄に

「2」って

何のことかさっぱりわからず・・・

ただ混乱していた。

仕上がり予定日は

11月中旬・・・

結婚記念日のちょうど1週間くらい前だった。
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