☆マリッジ☆リングス☆
それは滴った・・・

涙なのか、雨なのか・・・

レストランを出ると、降りしきる雨に

さゆりは「打たれたい」

ズブ濡れになるまで歩いた

手にはめた指輪は

キラキラと光るが

今までの思い出が崩れ落ちるかのように

さゆりはその指輪は外さなかった

「せいは?

せいはどうなるのよ・・・」

さゆりはせいのことが心配でたまらなかった。

「なんで離婚なの?

私の何がいけなかったの?」

散々悩んで

夜の街をただ歩いて

たどり着いたのは

やはり我が家。

「ただいま・・・」

さゆりはどんな気持ちでも聡を迎えなければならなかった。

せいや母親の前ではそんな悲しさや憎さ、出せなかった。

夫婦はどんなことがあっても同じ家に帰る。

「おかえりなさい」

「あぁ・・・」

「風呂入って寝るわ」

それ以上はだんまり。

聡のだんまりは日ごとに増していった。

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