☆マリッジ☆リングス☆
「せい・・・パパと・・・」

日曜日にはいつもせいを連れて公園に行く予定も

なんだか、素直に頼めない自分に、さゆりは聡を責めず自分を責めた。

「私が・・・せいばっかりに夢中になってたから?」そんなことばかりが浮かんでくる。

サイトの女ならともかく・・・恋人って・・・

その現実が本当に悔しくって、言葉にならない。

でも、自分も久保という恋人がいる。

「離婚はしないわ。」さゆりはせいのためにも離婚にはやはり納得できなかった。

「パパ・・・」せいは無邪気に聡を呼ぶ。

「あぁ・・・」聡の、あのめんどくさそうな返事。妙に耳に残る。

「ねぇ・・・もっと遊んであげてよ・・・」そう言いたかったけど

「怒らせたくない」って感情がさゆりには常につきまとう。

家の中の冷戦状態は、冬の寒さも増して

さゆりの心をも凍りつかせるのか・・・

さゆりはとうとう・・・

また久保を呼び出してしまった。
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