☆マリッジ☆リングス☆
愛しき息子へ
「出ていくって・・・なんでだよ。」

そうやって怒るのもおかしいものか。

妻・さゆりになんと話を切り出せばよいのかまったくわからない聡。

「離婚・・・できるのか・・・?」ふとそんな疑問さえよぎる。

ただ、妻と子供はもう別居した。

「いや・・・俺が、謝れば、全ては解決するというのか・・・」

謝って、また戻る・・・

「戻りたくない。」それが答えだった。

「せいは元気か?」

「うん」

そんなやりとりは

日に日に、さゆりを苛立たせていった。

「せいと話せるのか?」

「無理よ。」

そう言っていたのは、さゆりの母。

「せいは渡さない・・・」聡への言葉の攻撃は

聡の心を突き刺していく。
< 39 / 62 >

この作品をシェア

pagetop