☆マリッジ☆リングス☆
別居という現実は、日に日に、その怖さと

とてつもない孤独感を見せつけてくるもの。

聡は会社帰りに芽衣の部屋のも寄らず

文房具店でノートなど手に取ってレジに並んでいた。

「これだ・・・」誰もいない自分の部屋でふと思いついた。

せいへの想いを書きとめるそんな些細な行動。

その真新しいノートは、久々に懐かしい匂いで

聡は、小学生に戻ったかのように、毎日、毎日父親として

息子への想いを綴っていった。

ノートが進むにつれ

時間も刻々と過ぎてゆく。

1日や1週間ならまだしも・・・

1ヵ月・・・

1年・・・

せいは小学校に上がるっていうのに・・・

逢えない。って・・・

「入学おめでとう」

向かうは今日も、そのノートだった。

「ねえ・・・最近ちょっとおかしいんじゃないの?」

気遣うのは芽衣。

「変わったわね。あなた・・・」

聡の部屋に何とも言えない違和感を感じ始めた芽衣は

だんだんと、聡から遠ざかっていく。

「変わってないよ。」

「うそ」

「なんでさ・・・どこが・・・?」

「これ・・・・ちょっと引くんだけど・・・」

リビングに積み重ねられたノートに

芽衣は嫌気がさしていた。

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