☆マリッジ☆リングス☆
リングスたちの行方
「愛しき息子へ」?・・・なによ・・・

芽衣はその一冊を見るなんて、聡は気づいていただろうか・・・

「せい。

お父さんは元気です。

まだまだ、寒いけど、風邪などひいてませんか?

お母さんと仲良くしていますか?

お父さんは仕事が終わると

野球のテレビばかり見ています。

せいは野球は好きですか?

いつか一緒に見に行きましょう。

パパより」

こんな何気ない日常の話を

淡々と・・・毎日・・・

「もうすぐ・・・入学?」

芽衣は聡の息子が小学生になることを知った。

「何よ・・・あの人ったら・・・」

芽衣は思わず涙ぐむ。

そんな文章がそこには記されていた。

「おい・・・どうしたんだよ。・・・」

聡は、涙ぐむ芽衣が心配で・・・

「本当にごめんなさい。」

芽衣はただただ、そう言って聡に謝り続けた。

「いいんだよ。

そんなに泣くなって。」聡はそっと芽衣を抱きしめても

芽衣はしばらく泣き続けていた。

「結婚しよ・・・・」

聡は、そう決心していたにもかかわらず

芽衣は

「結婚できません・・・」

そんな答えを出していた。
< 45 / 62 >

この作品をシェア

pagetop