カモミール~生きててくれてありがとう~
「詩織、よく頑張ったね。

もう、頑張らなくていいんだよ。

どうして一人で背負おうとしたの?

ずっと友達っていったじゃん。

辛いときに助け合うのが友達でしょ?

もっと、もっと、私のこと頼ってよ?

詩織の力になりたい。

会って、抱き締めることはできなくても、
話しを聞くことはいつでもできるよ。

私の前で強がらなくていいんだから。

それに、詩織が元気ないこと
菜恵も彩花も知ってたよ。

手紙書いても素っ気ない返事しかなくて、
メール送っても返信遅くて、

いつも同じことしか書いてなくて
文章に元気がなくて…

でも、詩織が大丈夫って言うから、
それ以上何も言えないって…

そうやって、2人悩んでたよ?

どうしたら詩織の力になれるかな?って
今日も学校で話してたんだよ?

それでも、この世で自分は1人だって思う?

確かに、引越し先では1人かもしれないけど
どんなことがあっても私たちは一緒だよ。

でも、詩織、ごめんね。
詩織がこんなにも大変なことになってるなんて
私、思ってなかった。

想像よりずっとずっと大きな壁と
1人で闘ってたんだね…

気付いてあげられなくてごめん。」
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