カモミール~生きててくれてありがとう~
始まりは一本のペンだった。

「このペンかわいー!
詩織ちゃん。これちょうだい?
ちょうどピンクのペンが
切れてたところなんだ。
もちろんくれるよね?友達だもの……」

やめて。そのペンは愛奈果がアタシにくれたの……

でも。本能が言う。
逆らうな。と…

作り物の笑顔でアタシは言う。

『全然いいよー!』

そして。心の中で言う。
愛奈果。ごめん。
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