天と悪
そう思っていると、寝室に着いた。




フーネは今だに爆睡している。




「フーネ。おーい。朝だぞ。コッケコッコー」




「はっ!!にわとり!?」




「うそだ」




僕がそうおどかすと、フーネはキリッと表情を改めた。




「お、お前、モノマネが達者で……」




「ひらきなおるなよ」




僕はフーネの頭にチョップをお見舞いしてやった。




「ミカエル様にお前を家まで送るよう命じられたから、行くぞ」




「う…。ありがとう」




フーネはぺこりと礼をしてくれた。




踊りそうになった気持ちをなんとか沈めて、僕はフーネに手を差し伸べた。




フーネの手が、僕の手に重なる。




柔らかくて、あたたかい。




さっきからどうしたのだろう。こんなにもフーネのことを気にするなんて。




「ねえ…早く帰りたい…。」




「あっ、あぁ!!そう、帰ろう帰ろう…」




これは何の病だろうか。魔女アレルギーか?狭心症なのか??




そんなことを頭のすみで考えながら、僕はフーネを家まで送ってやった。
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