5-2
私が泣いていることは、ニナちゃんの耳にも入った。


「美月ちゃん、どうしたん?」


三留君が、票を入れてくれなかったこと。


話した。


「そんなん…。


 じゃあ、美月ちゃんは、三留だけが票を入れてくれるか、三留以外の全校生徒が、美月ちゃんに票を入れてくれてなれるか。


 どっちがいい?」


 私?私は…


「私は、三留君が入れてくれるほうがいい。」


 本当は、そんなことが言いたかったんじゃない。


ハズなのに…。


 ニナちゃんは、話を続けた。


「そんな事言っとったら、書記になっても、みんなに見捨てられるよ!!」


 ニナちゃんは、怒り口調だった。


そりゃ、そうだろう。


だって、みんなより三留を選んだんだもん。


おかしいに決まってる。


推薦責任者として、恥じるに決まってる。


もう、ほっといていいよ…


ごめんね?ニナちゃん。


私、本当はそんな事、言うつもりなかったのに…。
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