5-2
そして、クッキー作りを少し中断して、電話の前で待った。


待った待った待った…


待つこと10分。


"ぷるるるる"


電話だ!


「はい!!!!!


 もしもし、中村です」


「あの、渡部波斗の母ですけど...。


 今日も熱が下がってないのでいけません。


 ごめんね?ナミはめっちゃ行きたがってるんやけどさぁ…ごめんな?」


 私は言う言葉が見つからなかった。


「はい、全然大丈夫です。ではお大事に」


 私はそう言って電話を切った。


泣いてしまいそうだったから。


声が震えていたから。



< 218 / 449 >

この作品をシェア

pagetop