5-2
渡は泣いてる。


菫は涙目。


他のみんなは、真剣な顔してる。


渡部が言った。


「今回なれやんくても、次がある。次なれやんくても、中学がある。
 その次だって、市長、県知事があるやろ?またその時は、応援…するから」


 渡部の言葉は、水没した私の心に浮き輪を投げてくれた。


助け舟を出してくれた。


「う…ん………」


 私が、初めてまともに頷いた。


「いつまでもうだうだ泣くな!早く元気だせ!」


 怒り口調の大和君。


でも、顔は笑顔。


今、そんな笑顔に助けられてるよ。
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