5-2
「でも…」


 いくらみんなに励まされたって、涙は止まらないモノだった。


みんなに迷惑をかけた事実。


投票してくれた人を裏切った事実。


自分自身を、裏切った事実。


その傷は、どうしても癒えないモノだった。


「み、んな…に……裏切る様な…」

 
事しちゃって。


その言葉は、出てこなかった。


口の少し手前で、消えた。


発声されないまま……



< 371 / 449 >

この作品をシェア

pagetop