真面目な彼の秘密の本性。

生駒 夏琳（いこまかりん）。



高校２年で、
学校一の遊び人。




よってたかって自分から誘ってくる男を
望みどおり遊んで捨てる。





「俺、お前が好きだ。」





そして男が発するこのお決まりの言葉で
私のｹﾞｰﾑは幕を閉じる。





「…最っ低ッ！」




そんなこと、
言われなくたって分かってる。





自分の行為がどれだけ醜く、
どれだけ最低かなんて。




自分のこの行為が、どれだけﾊﾞｶらしく
どれだけ無責任かなんて。







昔から、散々言われてきたこの言葉を
胸に強く突き刺す。





＿＿そう、“昔”から。







「あー、次のﾔﾂどうしよ。」






そして私は、その事に気づきながらも
遊び人をやめなかった。






どうせ、
みんな最低だから。





一人で静かに呟きながら
また世界の醜さを呪った。