蘭王の秘密
【咲蘭の家】

楓「お帰りなさい。遼くん、大丈夫?咲蘭、彼方きてるわよ。」

咲蘭「はーい!」

私は、遼の左腕をつかんで、自分の部屋に向かった。





【咲蘭の部屋】

彼方「咲蘭、久しぶりだな。患者はその横にいる、男の子の事かな?」

お母さんの兄で、日向の父親、彼方さんが、診察の準備を既にしていた。

咲蘭「そうだよ。病院嫌いだから…。医者にきてもらうしかないと、思って。」

彼方「怪我の理由は、さっき、電話で聞いた。遼くん、こっちにきて、座ってくれ。」

遼は肩を固定してるため、パーカーだけを羽織っている。だから、遼は座るなり、パーカーを脱いだ。

そして、彼方さんは、包帯の上から、遼の肩が触った。

遼「…ってえ。」

彼方「咲蘭の包帯の巻き方はあってるが、結構、痛がり方が、尋常じゃないな。」

遼が無意識のうち左手で、右肩をおさえてるのを見て、彼方さんは、何か考え込んだ。




彼方「痛みどめの注射、打っとくか…」

遼「えっ…。」

遼の顔がどんどん青ざめて行く。

咲蘭「やっぱりか…」

彼方「酷くなければ、薬だけと、思ったんだが、治すのは、早い方がいいだろ?だから、ちょっと痛いかも知れないが、我慢してくれ。」

遼「……」

遼は急に私に抱きついてきた。

咲蘭「遼、大丈夫だよ。少し痛いだけだから。」

遼「……」

既に、遼は泣きそうな顔をしてる。

咲蘭「彼方さん。この格好で、注射できる?」

彼方「大丈夫だ!遼くん少し痛いと思うが、辛抱してくれ。」

そして、すぐに、注射を遼の右腕にした。

遼は物凄い唇を噛み締めてる。よっぽど、注射が、嫌いなんだ。

私は、右手で、遼の体を抱きしめ、左手で、遼の頭を撫でた。

彼方「はいっ!おわったぞ。」

咲蘭「ありがとうございます。」

彼方「痛みどめの薬もだしとくから、また、なんか、あったら、呼んでくれ。」

咲蘭「はいっ!」



暫くして……。
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