蘭王の秘密
【咲蘭の部屋】

私はベッドの上で、お店に売られてるお人形の様に座っていた。

ガッチャ

遼がはいってきた。

多分、遼は、私の過去を聞いたのだろう。顔が曇りはてている。

婚約者でなければ、そんな顔する必要なんてない。


私に、かかわらない方がよかったのに。

もう二度と晴翔と同じ目にだけは、合わせるわけいかない。


だけど、感情を出したら私は暴れてしまう。

だから、必死で感情を閉じ込めている。

遼「感情を閉じ込める必要はない。俺は咲蘭の全てを受け止めるつもりだ。」

遼の優しい瞳には、嘘をついてる様には見えないものの、信じたくなかったというか、信じるのが怖かったんだと思う。

感情をコントロールできなかった頃の私は、晴翔や紅葉ですら、抑えるのが大変だったと言っている。

ましては、遼に感情をぶつけたところで遼が死ぬかもしれない。

なーんて、考えてたら。

遼が、さっき同様に優しく抱きしめてきた。

怖い…。

何故、そう思うのかは、わからないが、私は、さっき同様、遼を蹴っ飛ばした。


ガッチャーーーーーーーン。

お母さん達は今度はこなかった。

私はベッドの横にある、カラーボックスの上にある、分厚い本を遼にむかって投げた。

ガン

ガッチャン

咲「私に構うな!」

抑えの効かない、私は殺気をほぼ百%にし、叫ぶ。

それでも、遼は、諦めず、私の方へくる。

遼「咲蘭。俺は構わない!咲蘭の感情を赴くままにだせ!」

遼が言ってから、私はそこらへんにあるものをやたらと、投げた。

だけど、足にうまく力が入らないので、それに、病み上がりって事もあり、疲れて、辞めた。


遼の身体はだいぶ、ボロボロになっていた。

だから、構うなと言ったのに。

心の中で思っていた。
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