蘭王の秘密
次の日を迎えた。私は今日、覚悟を決めて、遼に全てを話す。

【約束の時間】

遼「咲蘭、入るぞ」

咲蘭「いいよ。」





遼は入ってくるなり、私が座ってる、ベッドに腰掛けた。

咲蘭「何からききたい?」

遼「咲蘭の過去。咲蘭が話しやすい、順番で、構わない…。俺は、どんな過去もうけとめる。」

遼は私を優しく抱きしめて言う。



咲蘭「じゃあ話す…。私は小3の時に人質になった事は、知ってるはずだと思うけど、私が人質になってた、一ヶ月、煙幕で、だされた、ご飯は昼だけ…それも、育ち盛りの筈の私には少ない、みにサラダを一杯だけ…。私が人質から解放された後、親父達は、少しずつ私のご飯の量を増やしていった。だけど、私には食べる気力すら、ない、ボロボロの状態だった。その日から私はご飯を食べたり食べなかったりした…。そんな生活が三ヶ月たった頃、私は栄養失調で、倒れた。病院に、運ばれて、両親達は、医師の言葉が胸に刺さって抜けなかったらしい…。まえに、親父達が、話してるのをきいた。その内容が、私は、光のある世界での成長は難しい。暗闇の世界をさまよってるって…。でも、暗闇の世界にいた、私も成長はとまってる。今もあの時から。本当は、自分で抜け出さなければいけなかった。だけど、私にはそんな事を考える事すらできなくなってた。知らない間に私は暴れ、紅葉や晴翔達は私を抑えるのが大変だったって、言ってた。
私は、ご飯をあまり食べてないのに、栄養よりも多く暴れて入退院の繰り返しだった。一年がたって、私は前よりは、だいぶよくなっていたらしいけど、私は無邪気に笑わなくなった。暗闇と戦ってる、複雑そうな笑しかできなくなった。

そして、小6で、慕ってた総長、晴翔が、殺された。私の性だと何度も思った。私がもっと強かったらって…。だから、晴翔が、亡くなってからすぐに、親父に頼んで、トレーニング場をつくってもらった。晴翔の様な悲しい死に方をさせない様に…。私は晴翔から、総長を任されて、自分のせいで族の人が死なない様に、体力をみんなにつけてもらった。そんな時だった…。中2の時、街で暴れてる、男達に目をつけ、私たち蘭王はそいつらの心を清くしようとした、だけど、あいつらは、私の闇に気づいた…。
俺たちが、お前の闇を救ってやるって、でも、そいつらは、私の過去をしってくうちに、笑い事で済まし、さらに、私を暗闇の中へと送り返した。
葵や彰も何度も私の闇を救おうとしてくれた…。だけど、私には人を信じることができなくなってた。誰を信じればいいのか、わからなかった。自分自身ですら、信じられなかった。その思いがさらに、私を壊した。自分で自分を傷つける事が何度もあった。どんなに、親父達が止めても私には無駄だった。私はトレーニングのしすぎで、親父達より、強くなってしまってたから。本当は、心の中で叫んでた。何度も何度も私をとめて…。って。だけど、そんな心の叫びが誰にも伝わらなかった。
親の気まぐれで、転校した高校。最初に遼達に話しかけられた時、闇に気づかれない様にしてた。だけど、王姫になって、遼達といる様になって、私の中で何か変わった気がした。でも、今までいろんな人に迷惑をかけてきた、私に、関わる人がいたら、もしかした、殺してしまうかもしれないという、恐怖が知らぬ間にでてきた。今まで感情を出したら、歯止めが聞かないくらい暴れてしまうから、必死で殺してきた、なのに、遼達といればいるほど、感情出しそうになってしまう。私の甘えが、怖かった。

だから、私は人と関わるのを極力なくしていた。相手が、どうなるか、わからないから。」


私の頬には、涙が、零れてる。
何年ぶりに泣いただろうか?

私は話して、楽になってしまった気が、した。

遼は何も言わず、優しく私を抱きしめてくれた。

本当は、この後、遼がいなくなりそうで怖かった。

他の男は全員といっていいほど、聞き逃げをした。

遼は違う…。

遼だったら、信じても大丈夫な気がする。


暫くして、涙が、とまってくれた。


遼「咲蘭。話してくれて、ありがとな。俺は、咲蘭を何が何でも信じる。今、話してくれた咲蘭の過去。確かに辛い。でも、一人で抱え込みすぎるな。俺も一緒に抱え込む。咲蘭は、一人じゃないんだよ。」

いつにもなく優しい口調で私の耳元で呟く。

私の一番聞きたかった言葉〝一人じゃない〟その言葉を聞き、私はまた、涙を静かに流し、遼を抱きしめ返した。

本当は、逃げていかないか、不安だったけど、遼は、私をしっかり、受けとめてくれた。中身をきっちり、みてくれた。


遼「咲蘭。これからは何かあったら、言ってくれ。俺は、全力で、咲蘭を守る。暗闇の中に戻っていかないように。」


咲蘭「遼。俺様なのに、今日は優しいんだね。」

今まで思ってた事を全て心の中にしまってたけど、今は、思ってる事をきちんと、言ってみた。

遼「いいんだ。咲蘭が、今みたいに、思ってる事言ってくれれば。」

咲蘭「私、そんな遼を好きになったんだろうね。」

遼「そんなって?」

咲蘭「普段はツンツンしてて、俺様キャラなのに、ちゃんと心配して、優しくしてくれるとこ。」

遼「咲蘭の為だったらな。」

得意気に笑って、私にキスをしてきた。

「……ん…っあ。」

油断して、少し、口を開けてしまった。だいたい遼のやる事は予想つく。

予想通り、遼は、私の口に舌をいれてきた。

もう、抵抗とかしないで、普通にしてたら、遼の舌が私の舌に絡まってきた。


「……ん。…う。…りょ…。」

絶対やめる気のない遼の胸を私は二三回叩くと、遼は唇をはなしてくれた。

咲蘭「遼、いきなりは苦しい…」

遼「悪い…。咲蘭が、あまりにも可愛く見えたから、襲うよりかは、こっちの方がいいと思ってな。」

咲蘭「本当、俺様だよな。」

遼「でも、なんか、嬉しい。咲蘭が、思ってる事、全部言ってくれるから。」

咲蘭「もう、遼は。なんか、楽しんでる?」

遼「いや、違う。」

咲蘭「ふぅーん。遼の嫌いな事いっーーぱい調べとかないと…。たっーーーぷり、苛めたあげるから。〝黒笑〟」

遼「ゾクッ///////////咲蘭。少しは勘弁してくれよ。」

咲蘭「やだなぁ〜。」

遼「咲蘭〜。俺で遊ばないでくれよ。」

咲蘭「だって、楽しいじゃーん!」

遼「何も言い返せない自分が悔しい…」

咲蘭「じゃあ、星也達にきいてこよーーっと。」

私はそそくさと、部屋をでた。

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