レア男子
誤解を与えるような発言は慎んで欲しい。
「…あーあ、挨拶したいなぁ」
ベッドに座り、項垂れると、ポン、と肩に置かれた手。
見上げると優しく笑う俊と目が合った。
「しゅ…」
「落ち込むとか、ウ・ゼ・エ☆」
…………。
「酷ーい!友達なら励ましてくれても良いじゃん!薄情すぎるー!もっと友達を大切にし《ガチャ》」
!!!!????
バッと扉を見ると煙草を加えた保険医が立っていた。
「あーあー、翼、ドンマイ☆」
「……クッ!」
爽やかな笑顔に戻った俊が憎い。
ポカンと僕を見る保険医が憎い。
「……あ、れ。南城…君?だよね?え?」
「……はい。何ですか?」
「あれれ?…私、幻覚&幻聴を体験したわ…?」
下がっていた眉をあげ、目を細くして保険医を見れば頭にハテナが浮かんでいた。
よし、なんとか誤魔化して逃げよう。