レア男子
「ん〜いきなりあーゆー系の男子は駄目じゃない?」
「じゃあ、誰なら良いんだよ?」
「……鈴木とか?」
鈴木?
鈴木沢山いるけど?
俺のクラスに鈴木3人いるし。
「あの、クールな鈴木だよ!」
「クール…あぁ、あの!」
theクールボーイの鈴木君がいたね、確かに。
隣のクラスだったっけ?
「そーう、あの。ま、顔は翼ぼとじゃないから目立たないクール君だけどね♪」
「分かった。鈴木に挨拶してくる」
クルリと向きを変えて鈴木君のクラスに。
けれど、クラスの前でピタリと足を止めた。
………あれ?
待ってよ…わざわざクラスに行って、おはようって可笑しくない?
話した事もない俺がいきなり挨拶したら鈴木君だってビックリするよね?
「………」
「あっ、もしかし気付いた?」
「何が?」
「ブフッ!いや〜…翼ったらいきなりクラスに向かうからビックリ☆わざわざ挨拶しに行くの〜?」
「お前…知ってんなら早く言え」
はぁ……。
じゃあ、今日は挨拶無理じゃんかー!
「まあまあ。あ、おはよう☆翼っ!」
「…はよ」
「良かったね!挨拶出来たよ☆」
「お前となんか…」
「………ぁ?」
うわー!
怖い!
俊怖い!
耳元でひっくい“ぁ?”が入りましたぁぁあ!!
「…良かった、です」
「だろ!♪」
あぁ、怖い。