光の巫女
「選ばれし巫女よ・・・其方は曇りのない、いい目をしている・・・もっと早くに出会っていれば、ワシも妻も・・・道を外さずに済んだかもしれんな・・・」

「日影様の奥さんって、確か物の怪によって殺されたんでしょ?それとこれと、なんの関係があるわけ?」

「・・・妻は狐憑きになってしまった・・・ワシは知りうる限りの方法で狐払いを試したが・・・すべて失敗に終わった」

狐憑き。その言葉の通り、狐に取り憑かれてしまったものの名称。

狐は憑いた者の身体を乗っ取り、精神を喰らい尽くす。

日陰の妻は、人一倍憑かれやすい体質だったという。

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