光の巫女
「・・・先程の力から感じたのは、神の力。あのような力、神具がなければ、出せない力・・・」


いつもの海ではない。いつも無表情だったけれど、瞳だけは優しかった。いつも、どうしていいかわからなかった自分を助けてくれていた。


なのに、どうしてだろう。今目の前にいるのは、海であって海じゃない。自分の知っている海じゃない。


「ねぇ、海・・・」


「教えてはくれませんか?出来れば、傷つけたくないんです。貴女の事はっ!」


苦悶の表情の海。本当はこんなことしたくないのではないか。そう思わせるような表情。

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