光の巫女
「・・・知らないよ・・・」


「そうですか、残念です」


風に言霊を使った時のようにまた小さく呟く。その言霊は、菖蒲の体を取り巻く。力が入らない。何かを持って行かれるような、そんな感覚が菖蒲を襲う。


そのまま海は更に呟くと、菖蒲の胸のあたりが色濃く光り輝く。


「体内・・・? そんなところに隠していたとは。何処を探しても見つからないはずだ・・・」


「やめて、海っ!」


『我の流れる陽の力を以て命ず。神具よ姿を表せ!』

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