光の巫女
「・・・はぁ、本当に非力だな、僕達は・・・」


そろそろ菖蒲も目を覚ます頃だ。それまでは悲しい現実を見なくて済む。


それだけが救いだろう。


「縁、茜。今すぐ東峰院家へ向かえ。円の様子が知りたい。
それと、封印の様子も見てくるんだ。封印を解くには数日かかるだろうから、逐一報告を怠るなよ」


近くの木々が揺れた。さすが優秀な忍び達だ。すぐに行動に移してくれた証拠だろう。


「こんな主で申し訳ないよ、ホント」


「主、菖蒲様たちが目を覚まされました」


その言葉を聞いて、凪は駆け出す。


今から、巫女に全てを話そう。僕という存在の意味を。


君は受け入れてくれるだろうか?
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