光の巫女
第十章 姉妹
①
「ーーー……?」
もうどれくらい走ったかなど覚えていない。
円と共に息を切らしながら、段々と近づいてくる九尾の瘴気を辿る。
切り株や木の枝に足を何度も取られ、転びそうになる度に、円は優しく支えてくれる。
けれど、菖蒲の心は何処かざわついていた。なにか、不吉なことが起こりそうな気がしてならない。
鼓動が急に早くなる。警告音のように激しく息も出来なくなるくらいに……
「え?」
「どうした?」
「なんだか今…… 名前を呼ばれたような気がしたんだけど……」
確かではないが、誰かに名前を呼ばれたような気がした。
未だに鼓動は鳴り止むことはなく、うるさいくらいにざわついている。
もうどれくらい走ったかなど覚えていない。
円と共に息を切らしながら、段々と近づいてくる九尾の瘴気を辿る。
切り株や木の枝に足を何度も取られ、転びそうになる度に、円は優しく支えてくれる。
けれど、菖蒲の心は何処かざわついていた。なにか、不吉なことが起こりそうな気がしてならない。
鼓動が急に早くなる。警告音のように激しく息も出来なくなるくらいに……
「え?」
「どうした?」
「なんだか今…… 名前を呼ばれたような気がしたんだけど……」
確かではないが、誰かに名前を呼ばれたような気がした。
未だに鼓動は鳴り止むことはなく、うるさいくらいにざわついている。